砲火指揮法




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 幹部編成


砲火指揮幹部 とは直接に観測及び通信に参画する職員の総称のことで、その将校を 幹部員、下士卒を 幹部付属員 と呼びます。 

砲火指揮官部は先の砲火指揮法の原則の第1に規定する各指揮官ごとに編成するもので、それぞれ隷属するところに従って砲火指揮官の幹部、分担指揮官の幹部、などと呼びます。



  幹部の編成


砲火指揮官以下の幹部の編成及びその系統は概ね次の標準によることとされていました。




ア.分担及び分火指揮官の幹部はこれに準じて適宜増減します。

イ.補助将校には砲火指揮官付属の将校を充てます。

ウ.砲火指揮官及び号令官に隷属する幹部諸員は、特に指示するものの他全て下士卒を以てこれに充てます。 これまでこれらには下級将校を配置することが通例であったのは、下士卒の能力が不十分であったためではなく、専らそのための教育がなされていなかったことによります。

エ.伝令は諸器具の配置、通信の難易などの状況に応じて適宜その員数を定めるものとされました。

オ.通信器掛とは、通称電線掛と称されました。



  幹部各員の位置


砲火指揮官は前檣楼に位置 し、これに隷属する幹部諸員は砲火指揮法の原則第4に準じて概ね次のように位置するものとされました。


前檣楼 補助将校、変距率盤掛、飛行時測定掛、
発放(砲)監視掛、号令・苗頭発信器掛、
変距・距離修正発信器掛、伝令
測距所
及び同付近
距離測定掛、伝令
針路交角測定盤
及び同付近
針路交角測定掛、伝令
下部発令所 射撃号令官及びこれに隷属する幹部諸員



  幹部各員の職責


砲火指揮官


ア.自己の任務を遂行し、砲火の威力を発揮すること

イ.砲熕の性能に通暁し、射弾の観測及び射法の適用に習熟すること

ウ.幹部全員を統括し、これを訓練し、戦闘に際して自己の意図に従って手足となるようにすることに些かの遺憾も無いようにすること

エ.自ら幹部将校を教育し、また綱領を授け、各将校をして部下を教育させること

オ.射撃指揮に要する諸表を準備すること

カ.砲火指揮用の諸要具及び通信器具の性能・状態に通暁し、これらの担任を定め、常に有効な状態に保させること

キ.被害・故障に際して射撃の指揮に渋滞を来さないように応急措置を研究して訓練すること


射撃号令官


ア.下部発令所に属する幹部を統括し、これを訓練し、器具の使用、命令・号令の発受に習熟させること

イ.その発する号令は指揮官の意図に合致し、緩急宜しきに適すること

ウ.特に通信器具の性能に通暁し、故障に際して速やかに適切な処置を施す能力を有すること

エ.距離時計の使用を監督し、距離の修正及び変距率の改調を誤らせないようにすること


補助将校


ア.砲火指揮官に隷属する幹部を訓練すること

イ.幹部付属員の動作を監督し、また観測及び修正に関して指揮官を補助すること


幹部付属員


ア.器具の使用法、伝令砲、応急通信法などそれぞれ担任の業務に習熟し、指揮官の意図に従って協同動作をすること

イ.各担任器具を常に有効な状態にあるよう注意すること




  水雷防御戦における幹部編成


水雷防御戦における幹部編成は、次を標準とすることとされていました。




砲術長及びその幹部は前艦橋に位置 し、砲群指揮官及びその幹部は水雷防御指揮所に位置 します。 砲術長及び砲群指揮官の任務は砲火指揮法の原則第7によります。

探照燈指揮は砲術長又は砲群指揮官の監督の下に探照及び追照に任じ、測距掛は状況の許す限り測距に任じます。







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初版公開 : 08/Apr/2018







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