砲戦の戦術




 海軍戦術の状況


旧海軍における戦闘力とは、本コーナーの序論でも述べたように


       (海軍) 戦闘力 = 攻撃力 x 防御力 x 運動力 x 通信力


として考えられ、この戦闘力をどの様に活かすかが 海軍戦術 でした。

当然ながらその戦術の中心となるのが砲戦術であり、個艦及び艦隊における戦術は本来重要な問題として採り上げられるべきもの です。

しかしながら、この明治40年代においては、この海軍戦術については 秋山真之がものした 『海軍基本戦術』『海軍応用戦術』 及び 『海軍戦務』 の3部作が旧海軍におけるバイブル的な存在 として取り扱われてました。

明治44年に真之の後を継いで海軍大学校の戦術教官となった松村菊勇海軍中佐 (当時) でさえ、その講義においてはこれら真之の内容には全く手を付けずにそのままとしております。

そして砲戦術においても、真之の 『海軍基本戦術 第二編』 がそのまま当時の戦術となっていました。

現在知られているところでは、砲戦術も含め旧海軍における戦術がこの真之のものから離れたものへと進歩するのは第1次大戦後の大正中期になってからです。

(注) : 秋山真之のこれら3部作についてまだ未読の方々は 『史料展示室』 コーナーにてそれぞれ原典の全文を公開しておりますのでご参照ください。







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初版公開 : 15/Apr/2018






明治40年代

  砲戦の基本要素

  軍艦の砲装

  軍艦の防御

  軍艦の速力

  砲火指揮法

  射 法

  射撃教育

  砲戦要務

  戦 術