軍艦の防御




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  水上部の防御
  水中部の防御
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 結  論


以上のことを要するに、軍艦の防御は重量の配分上到底万全を期しがたいがために、水線、主砲、司令塔のようなところに最も厳重な装甲を施しますが、他の部分はその重要度に応じて榴弾及び副砲弾を阻止しえるようにするか、あるいは全く無防備のままとしてこれにより節約し得た重量を専ら攻撃力の増進に充てるしかありません。

これは戦闘の本旨が攻撃にあり、攻撃力の増加が取りも直さず間接的に防御力を増加することになるからです。

この要旨に基づいて攻防の2つの力を適切に配分すると同時に、次の方法により消極的に防御力を増進することもまた必要です。

ア.乾舷を低くし、上部構造物を最小として敵弾に対する奏効標的面を出来るだけ小さくする

イ.木材、その他の引火容易な材料を使用しない

ウ.戦闘前に予め甲板を清掃し、臨時の防御を施す

ア.及びイ.は艤装上注意すべき要件で現に実施されつつあるところであり、日露戦役前の軍艦とその後の軍艦を比較すればお判りいただけるところでしょう。

ウ.は専ら戦闘準備上の注意で、これについては改めて別の項でお話しする機会があるものと思います。







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初版公開 : 01/Apr/2018







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