試射の要領




  1.試射の要領を決定するのに考慮すべき事項
  2.初弾の有効弾獲得公算と試射の関係
  3.初弾が偏位弾の場合の目標存在公算
  4.初弾が偏位弾の場合に修正弾が同方位弾とならないための修正量とその公算
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  5.初弾が偏倚弾の場合に目標存在公算最大の点に発射した際の有効弾獲得公算
  6.試射法の決定




4.初弾が偏位弾の場合に修正弾が同方位弾とならないための修正量とその公算


先の 「始めに」 で説明しましたように、試射は基本的には “目標を捕捉する” ことを手段として適正照尺を把握しますので、初弾が全近 (全遠) の場合に、次の修正弾が同方位弾とならないようにすることが重要となります。

しかしながら、かといって 100% の公算でそれを意図することは試射の本旨に反します。 言い換えれば、捕捉濶度以上の大きな修正をして目標を捕捉しても、その中間照尺をもってしては夾叉弾とならない可能性が大きくなると言うことです。

それでは、その修正弾が同方位弾とならない公算がどれくらいであればいいのでしょうか?

旧海軍においては、この公算が 90%以上 であることを要件としていましたが、時と状況によっては 80% 以上あれば可とすることもあったようです。

一般的に言って、第2照尺 (初弾に対する修正弾の照尺) が、夾叉又は反方位弾となる (=同方位弾とならない) 公算は、第2照尺までの目標存在公算よりやや大きいと判断できます。


(例) : 大口径砲で射距離 X=150 において、その濶度を 500 とすれば、目標がこの濶度以内にあると考えられる公算は 83% になります。 この時、変距誤測公誤を 3 とすると、第2照尺の弾着が同方位弾とならない公算は 86% (n=4)、88% (n=6) となります。


したがって、目標存在公算が 90%になる様な修正量 (濶度) に第2照尺を選ぶならば、これによって同方位弾とならない公算は 90%以上になると言えます。

このことから、前項の目標存在公算によって、90%以上の目標存在公算となる濶度を求めると、次の表の様になります。


大口径砲 二十糎砲 中口径砲
濶  度 濶  度 濶  度
n=4 n=6 n=5 n=8 n=5 n=8
150  590  605  80  605  620  50  560  570
200  815  830 130  745  755  90  640  650
250 1130 1145 180 1120 1130 130  870  890
300 1550 1560 230 1680 1690 170 1280 1300






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最終更新 : 25/May/2015







水上射撃の射法理論

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