旧海軍の砲術の主体をなす水上射撃の射法理論について、以下次の順次で説明します。
これらの基礎となる諸資料あるいは計算値は、結局のところ全て先の射法の要素に基づいておりますので、これは即ち 公算学、現代で言うところの “確率統計学” の応用によって成り立っています。 これが、旧海軍の射法を 公算射法 とも呼ぶ所以でもあります。 つまり、公算学の応用を形式化して、その型式に従えば、自然に射弾の修正が公算学的な理論に適うように作り上げられたものが、旧海軍の射法であるといえます。 ただし、旧海軍における砲術のバイブル とも言える 『 艦砲射撃教範 』 には、この射法を詳細に規定、教示していますが、旧海軍における 艦砲射撃の主体は、あくまでも大中口径砲 が中心であって、小口径砲を装備する駆逐艦などにしても5〜6門での射撃の場合を考えていました。 3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。 即ち、大中口径砲を主体とし、小口径でも5〜6門の場合についての例題で答えを出し、その答えを総括的な文章で書き示したものが旧海軍の 『 艦砲射撃教範 』 であったと言えます。 最終更新 : 23/May/2015 |