2.本射中の修正 (1) −本射第1弾が初弾と同方位弾の場合初弾に対して前項の修正を行って本射に移った時に、その 本射第1弾が初弾と同方位弾となった場合には、修正距間量 l に 100〜200 を加えた修正 を行います。 初弾と本射第1弾の照尺及び距間量を比較し、照尺差を L、距間量の差 (x) を l−l1 とすると、L= l+x となります。 すると初弾と本射第1弾の間の変距誤測及び射心移動による偏倚は次の式で表されます。 しかしながら、この偏倚量は両射弾の誤測変距量、射心移動 (2回分)、及び観測誤差 (2回分) の合併誤差ということになります。 上図に示すように、初弾 C1 の弾着に対して l+x の修正を行ったのですから、全ての誤差が無ければ本射第1弾は C2 に弾着するはずです。 しかしながら、今 C3 への弾着と報告が来たのですから、l1+x の誤差が生起したことになります。 もし初弾に観測誤差 Δl と射心移動 S だけがあったとすると、弾着位置は C4 となるべきで、同様に本射第1弾に観測誤差 Δl1 と射心移動 S1 とがあって実際の照尺中心は C5 であると考えれば、残る誤差は C4〜C5 であって、これが誤測変距量となる。 即ち、l+x という誤差は各誤差の合併誤差ということになります。 そしてこの様な場合の各誤差の最確値は次の式から求めることができます。 したがって、射心移動公誤を r1、誤測変距量を r2、観測誤差の公誤を r3とすると、誤測変距量の最確値 (E0)、初弾及び本射第1弾の観測誤差の最確値 (Δl)0、(Δl1)0、射心移動の最確値 (S0) はそれぞれ次の式で表されます。 ここから、本射第1弾の照尺位置の最確値は l1−(S1)0−(Δl1)0 ですので、変距誤測はこの後も続くと見積もられますので、修正量 L1 は次の式となります。 これを今、大口径砲、射距離 30000m の場合について計算してみると次の様になります。
この表から判断すると、各距間量を通して l +(100〜200) 付近の修正が適良であることが分かります。 最終更新 : 05/Jun/2015 |