『射撃理論 初級編』 として、測的とそれに関する座標について、そして弾道理論、弾道修正と進んできました。 そこで、ここではそれらの総合として、実際の射表を使って射撃計算をしてみたいと思います。 使用する射表は、残念ながら手元に旧海軍の適当なものがありませんので、第2次大戦で大活躍した米海軍の 5インチ/38口径砲の水上射撃を例に とって射撃計算法を解説したいと思います。
その前に(1) 使用する単位について さて、射表を使っての射撃計算に入る前に、単位のことをお話ししておかなければなりません。 射撃で使用する単位の基本的なことについては、『射撃関係用語集』 の 『5.単位』 の項で説明しておりますので、まずそちらをご覧下さい。 これから説明しますのは米海軍の射表を使ってですから、長さの単位はヤード (yards)、角度の単位はミル (mil) です。 もちろん、ミルと言っても米海軍の場合は旧海軍の千分の一単位 (分画) と同じ意味であることは既に説明しました。 それでは、まず練習問題です。 (簡単ですから答え合わせは不要と思いますが、正解は右の白抜き欄にマウスを載せると表示します。) ちなみに、問4の図のように、水面を横線に標的を四角で、弾着をV 印で現すのは、旧海軍や海上自衛隊での弾観 (弾着観測) 記録のつけ方です。 (2) 方向角と的角 方向角 とは、自艦 (G) の艦首尾線を含む鉛直面と、照準線を含む鉛直面とのなす角を、水平面内において艦首から右回りに測定したものを言い、360度方式で呼称 します。 (右○○度、などとは言いません。) また 的角 とは、目標 (T) の艦首尾線を含む鉛直面と、照準線を含む鉛直面とのなす角を、水平面内において目標の艦首から右回りに測定したものを言い、これも 360度方式で呼称 します。 つまり、早い話が下の対勢図のとおりです。 それでは、練習問題です。
最終更新 : 14/May/2015 |