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水上射法 (2) |
「測距射法」 の概念
「測距射法」 とは、測距儀による測距精度が良好で、かつ頻繁に測距できる場合に使用する射法です。
即ち、刻々の照尺距離を相当の頻度で測定した測距離を基として決定するものです。
しかしながら、測距儀による測距には 「測距中心誤差」 が存在しますので、弾着を観測して適当な修正法を用いて測距の中心を実際の距離に一致させることにより、以後は概ね目標の付近に弾着させることができるようになります。
そして、目標の付近に弾着するようになったとしても、全ての斉射弾が 「夾叉」 するわけではありません。 これは、測距儀の測距には散布誤差 (=測距散布誤差) が含まれるからです。
したがって、「測距射法」 においては、次のことが言えます。
1. 「測距中心誤差」 が小さいほど目標を早く 「捕捉」 することができ、そして一旦目標を捕捉したならば 「測距中心誤差」 は問題とはならない。
2. 「測距散布誤差」 がある範囲 (「散布界」 及び 「射心移動」 と関連します) を超えると、射撃効果を極端に減じることになる。
3. 測距精度は、概ね距離の2乗に比例して急激に不良となるので、遠距離になるほど効果が低くなる。 ただし、電探射撃においては、測距精度は距離による差が生じないので、遠距離においても測距射法による効果が期待できる。
「測距中心誤差」 だけを修正するときの測距誤差の発生状況を簡単に示すと下図のようになります。
適当な修正を実施して測距中心を実距離に一致させるための修正法などを含め、詳細については後の 「射法理論」 の項で説明します。
最終更新 : 17/May/2015
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