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砲耳軸水面高及び地球湾曲に対する修正 |
前項の静的砲占位差修正と同様の考えですが、照準器 (射撃指揮装置) 及び砲の装備位置は水面よりそれなりの高さにあるのが普通です。 このため水上射撃においてはLOSは水平ではありませんので、これに対する修正が必要になってきます。
また、同じく地球の湾曲は、水上射撃において、特に水平安定儀 (ジャイロ) 等を用いた人工的な水平面を使う場合に問題となってきます。
一般的には、この砲耳軸水面高修正と地球湾曲に対する修正は、次のように1つの問題として一緒に処理されるのが普通で、これを 潜差修正 又は Dip修正 と呼びます。
参考として、これに基づく潜差 (Dip) 修正がどの程度の値になるのかの一例で、砲耳軸水面高を32フィートとして計算した場合の距離との関係を示しますと、次のようになります。
(注) : ここで言う 「潜差」 及び 「Dip」 という用語については注意が必要です。 上述のように、現代では米海軍における砲術上の 「Dip」
に対して 「潜差」 という言葉を当てはめていますが、旧海軍においては 「潜差」 というのは前項でご説明した砲占位差修正における 「高低差上下修正」
のことを意味します。 また、「Dip」 という用語は、航海術においては水平面から水平線に対する角度のことを意味します。
最終更新 : 15/May/2015
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