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砲占位差修正 |
射撃管制問題解法において、射撃指揮装置の使用が一般的となった今日においては、通常はその射撃指揮装置に基準点を置いた照準及び測的が発砲諸元の計出に使用されます。
したがって、発砲諸元を計出した後に、その発砲諸元は基準点の位置と各砲の装備位置との違いによって生じる誤差を修正しなければなりません。 これを
砲占位差修正 といいます。
この占位差修正は、大きく分けて次の2つに区分されます。
1. 動的砲占位差修正 (Dynamic Gun Parallax Correction)
2. 静的砲占位差修正 (Static Gun Parallax Correction)
1. 動的砲占位差修正
砲が正確に基準点と同じ位置にある場合にのみ、基準点に対して計算された発砲諸元はそのまま適用することができます。
しかしながら、その様な場合は通常はありませんので、艦のローリングとピッチングによって、砲の運動が基準点の運動と異なることによって動力学的な差違が生じます。
このため発砲諸元にこの差違分の修正を加えなければなりませんが、しかしながら、通常これらの動力学的要素は次頁の静的砲占位差に比べれば極めて小さいことから、現代の射撃指揮装置をもってしても、これを修正しないのが普通です。
2.静的砲占位差修正
基準点と砲装備位置との違いによる静的な発砲諸元の修正は、次の4つに区分して計算されます。
高低差上下修正 |
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間隔差上下修正 |
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間隔差左右修正
(集中角修正) |
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間隔差距離修正 |
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これらの静的砲占位差修正について、どの修正をどの様な形で具現化するかは一重に射撃指揮装置を含む個々の砲熕武器システムの設計の仕方によります。 具体的な修正方法などについては、射撃理論上級編で例を挙げて説明します。
したがってこの初級編では、艦砲射撃の精度を高めるためにはこのような砲占位差による修正も必要になってくる、と言うことを理解していただければ結構です。
最終更新 : 15/May/2015
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