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2-4-7.ピレウス |
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昭和49年9月1日(日)朝9時 にイスタンブールを抜錨して出港し、来た時の逆航路でマルマラ海、ダーダネルス海峡を抜けてエーゲ海の“多島海”に入り、ギリシャのピレウスに向かいます。
往路と同じで、ダーダネルス海峡を出た所から多島海においてキプロス紛争に関連した警戒航行を行いました。 したがって、ピレウスまでは個艦訓練も含めた実習のための訓練はほぼありませんでした。 と行ってもこの時の警戒航行はほぼ夜間でしたが。
そして、翌9月2日(月) 午後2時半にピレウス港外(ピレウス港東側のモスチャット湾)に仮泊しました。
で、仮泊すると早速寄港中の行事などの連絡・調整が行われます。
因みに、仮泊したモスチャット湾のピレウス側(西側)は当時まだギリシャ海軍の大軍港で、写りは少々悪いですが、当時の私の写真でもギリシャ海軍艦艇がずらりと並んでいるのがお判りいただけるでしょう。 当時、米第6艦隊の駆逐艦6隻もここを母港とすることとなった直後でした。
しかしながら、その後アテネ・ピレウスの大規模な再開発が進められたことにより、ここは現在では全て商用施設となり、海軍基地はピレウスより西にあるサラミス海戦で有名なサラミス島のエリニコ Elliniko 地区に移転しています。
9月3日(火) 朝8時に仮泊地を抜錨し、登舷礼により陸上と礼砲を交換しつつ、午前9時ピレウス港に入港しました。
ピレウス寄港も実質3日間でした。
初日は入港して歓迎諸行事などがあったあと、午前10から在ギリシャ大使によるギリシャ事情講話が「かとり」実習員講堂で行われました。
翌9月4日(水) 午前中 はバスに分乗してギリシャ海軍兵学校と海軍教育センター及び Hellenic Shipyards 社の研修が行われました。
ギリシャ海軍兵学校はピレウス港の湾口東側先端部の丘の上にありますが、どんなところだったのか全く記憶がありません。 そして教育センターは確かピレウスから少し西に行ったスカラマガズにある現在の下士官学校などがあるところだったと。 そして造船所はそこへの行く途中(あるいは帰り?)で立ち寄ったと思います。
教育センターもよく覚えてはいませんが、プールを使っての飛び込みやその上に張った綱渡りなどの訓練風景を興味深く見た記憶があります。
3日目の9月5日(木)は一日借上げバスに分乗してのアテネ市内及び近郊の史跡研究が行われました。
この間に実習幹部は艦内公開や艦上レセプションなどに駆り出されましたが、3日(火)又は4日(水)のどちらかで半日の自由上陸があったと思います。
アテネ中心部まで10kmくらいですのでタクシーで行きましたが、アテネ市内のどこを回ったかは覚えておりません。 アクロポリスの丘近くのちょっとした雰囲気の良い洒落たレストランで夕食を摂りましたが、なかなか美味しかったということだけの記憶があります (^_^)
ピレウス寄港の最終日である9月5日(木)は、例によって司令部又は「かとり」幹部の引率によるバスに分乗してのアテネ市内と近郊史跡の研修でした。
流石にフィロパポス(Philoppapos)の丘とアクロポリスはガイドさんがいなければ実習幹部の歴史知識程度では無理ですので、遠洋練習航海のこれまでの研修の中で初めてガイドさんが付きました。 バスを降りた時にこの2か所でのみ説明を受けたと思います。
しかしながら、この後に市内の博物館や美術館などの有名どころ(建物)を幾つかを回ったと思いますが、このアクロポリス以降は説明を聞いた覚えはありませんのでガイドさんはもうついておらず、短時間でそれぞれの館内を回っても“ふ〜ん”という以外の感想は残っておりません。 やはりガイドさんの説明付きでゆっくり見なければ、ですね。
アテネ研修に続き近郊史跡研修として向かったのは、現在の陸上競技の華の一つであるマラソン競技の発祥となったマラトン(Marathon)の海岸です。
ここが選ばれた理由はよく判りませんが、まあ平均的な日本人の歴史知識としてはアテネ以外ではここかと (^_^;
海辺の波打ち際近くまでオリーブの木が生えており、オリーブの実が沢山なっていたことは覚えていますが、ここが広いマラトンの海岸のどこだったのか。 下の写真ではちょっと何かの光が写り込んでいますがこの景色からすると現在では国立公園となっているところのどこかと思いますが ・・・・
また、このマラトンの海岸への往復途中にマラトン湖という貯水池があるところを通りましたが、そこの大きなダムをギリシャ陸軍が警備していたことを覚えています。
この日の借上げバスによる研修は、アテネとこのマラトン海岸で、17時頃には艦に戻りました。
ピレウス寄港は3日間で、9月6日(金)朝9時 に入港時と同じく沢山の在留日本人の方々に見送られながら出港し、次のイタリアのナポリに向かいます。
最終更新 :21/May/2023