射撃指揮に関する主要用語 |
★ 印 : 基礎的な用語
(注) : 海上自衛隊における射撃指揮に関する用語は、旧海軍のものとは大幅に変わりましたので、必要な対比点のみを掲載しています。
用 語 | 定 義 | |
★ | 射撃指揮法 | 射撃諸機関の運用及び射弾指導の方法 選定された目標に有効な射撃を実施するための射撃諸機関の運用の方法を言い、捜索、目標表示、目標指示、捕捉、追従、見越、砲の指向、発射、弾着観測及び射弾修正の順序で実施される |
★ | 射弾指導 | 射弾を目標に命中せしむる射撃指揮上の操作を言い、弾着観測及び射撃修正により之を行う |
★ | 射法 | 照尺決定及び射撃修正の方法 発砲諸元または照尺の流れを決定する方法 |
★ | 測的 | 目標現在位置及び目標の運動を測定することを言う |
★ | 変距射法 | 射撃開始前測距離を距離時計又は射撃盤に整え、測定変距を以て運転し、其の指示距離を基礎として行う射法 |
全量射法(水上射撃) | 全量射法とは射撃開始前の測距儀若しくは目測距離を基礎とし、爾後の変距量を射撃修正に加味して行う射法 | |
自変距射法 | 射撃開始前の測距儀若しくは目測距離を距離時計若しくは射撃盤に調え、自艦速に因る変距を以て運転し、其の指示距離を基礎とし、的速に因る変距量を射撃修正に加味して行う射法 | |
測距射法 | 毎回の測距離を基礎として行う水上射撃の射法 | |
高射器射法 | 高射装置を使用する対空射撃の射法 | |
射撃盤射法 | 射撃盤を使用する対空射撃の射法 | |
全量射法(対空射撃) | 高射装置、射撃盤の孰れも使用せざる場合の射法 | |
連測苗頭法 | 刻々(毎回)の測定苗頭を基礎として行う苗頭修正法 | |
全量苗頭法 | 射撃開始前の測定苗頭若しくは目測苗頭を基礎とし、爾後の苗頭変化量を射撃修正に加味して行う苗頭修正法 | |
★ | 方位盤照準(高射器照準) | 方位盤射撃装置(高射装置)を使用して照準発射を行うこと |
★ | 砲側照準 | 上下左右照準共砲側照準器を使用して照準発射を行うこと |
★ | 直接照準 | 直接目標に対して行う方位盤照準又は砲側照準 |
★ | 間接照準 | 仮標又は羅針儀により決定したる目標の方位線に対して行う方位盤照準又は砲側照準 |
受信器発射 | 方位盤照準に於いて其の固有発砲電路を使用することなく、受信器により照準を行い砲側射手発射すること | |
俯仰発射 | 方位盤照準に於いて上下照準のみ砲側照準装置を使用し砲側射手発射すること | |
短絡発射 | 方位盤照準に於いて俯仰(旋回)受信器内発砲電路を短絡し発射すること | |
★ | 独立発射 | 方位盤照準に於いて発射の時機を予令することなく方位盤射手に整備通報後発令時期の選択を許可し発射を行わしむること |
★ | 発令発射 | 射撃所及び砲側に毎回発射時機を予令し、発射指令時に方位盤砲側射手をして一定許容秒時間に発射せしむること |
許容秒時 | 発令発射に於いて射手に発射を許容する秒時 | |
予令秒時 | 「発射用意」下令の初めより発射発令時(下令の初め)迄の秒時 | |
★ | 試射 | 本射に用いるべき照尺量を探知する目的を以て行う射撃 本射に用いる照尺量を探知する目的で行う射撃 |
★ | 本射 | 命中を期して行う射撃 命中を期して行う射撃 |
★ | 斉射 | 同一目標に対して同一砲種によって同時に(またはほとんど同時に)発射することを言う |
探射 | 照明弾射撃において目標の存在を確実に視認するために行う射撃 | |
★ | 夾叉 夾差 |
一斉射弾が目標の前後に散布して弾着すること 1斉射弾が目標の遠近(左右、上下)に散布して弾着することを言い、それぞれ遠近(左右、上下)夾差という |
★ | 捕捉 | 二斉射の弾着が夫々全遠全近となり、目標を中間に夾むこと 一連の2斉射弾がそれぞれ全遠全近(全右全左、全上全下)となり、目標を中間に夾むことを言う |
捕捉濶度 | 連続する二斉射弾に依り捕捉せる場合、其の中間照尺に依り相当の効果ある射弾を予期し得る如き両斉射間の照尺差 連続した2斉射で目標を捕捉した場合、その2斉射弾の中間照尺によって相当効果がある射弾を期待できるような両斉射間の照尺差 |
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捜索濶度 | 初弾が遠(近)偏差弾の場合に同方位弾とならない確率が相当大なる修正弾を得るために必要な照尺修正量 | |
直接射撃 | 直接目標を照準して行う射撃 | |
間接射撃 | 目標を照準することなく、羅針儀、仮標、水平線等に依り射線を所要の方向に指向して行う射撃 | |
統一射撃 | 二艦以上の砲を一射撃指揮官が統一指揮して行う射撃 | |
単独射撃 | 一艦の一砲種を一指揮官が指揮して行う射撃 | |
★ | 一斉打方 | 一指揮系統に属する砲(連装砲)を一斉に発射せしむること |
★ | 交互打方 | 一指揮系統に属する連装砲を、二連装砲に在りては左右交互に、三連装砲に在りては右中左交互に又は左右砲中砲を交互に発射せしむること |
★ | 指命打方 | 一門又は数門の砲(砲塔)を指定し、毎回若干門宛発射発令時に発射せしむること |
★ | 独立打方 | 一指揮系統に属する砲(砲塔)を各砲単独に発射せしむること |
出典 : | 黒字 | 「艦砲射撃教範」(昭和12年 海軍砲術学校) 「射撃理論概説」(昭和19年 横須賀海軍砲術学校) |
緑字 | 「艦砲射撃教範」(昭和33年 海上幕僚監部) |
最終更新 : 30/Aug/2009