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第5話 サイドパイプについて




( 「きりしま」 就役20周年記念における記念品 )



先日、ネットの某所でサイドパイプの誕生とその後についての話題が出ていましたが、残念ながらこれといったものはなかったように思います。

確かに、旧海軍においては 「号笛」 として知られ、舷門礼式などにおいて幅広く用いられたものではありますが、その歴史的なことについてはほとんど知られていないことの一つです。

例えば、昭和17年に出された 『海軍辞典』 では、次のように説明されているだけです。




もちろんこのサイドパイプの起源などはハッキリしたものはなく、各国海軍などによっても諸説あるようですが、参考として米海軍におけるものを1939年に米海軍協会から出版された『Naval Customs, Traditions, and Usage』 に記載されているものと、その邦訳をご紹介することにします。



(原典初版カバー)



原  文 邦 訳 文


邦訳版は昭和41年(1966年)になって学生の教育参考用として訳したものを印刷・製本したものですが、元の原典でも約500頁の大作であることから教官が20名がかりで手分けして訳しました。

これもあって、残念ながら大変に読みにくい日本語のものとなってしまい、かつ印刷も質の悪い藁半紙であったため見難いものであったことなどから、折角の貴重な内容の本であるにもかかわらずほとんど学生には活用されず、心ある者はむしろ原典の方を読んでいたように記憶しています。 これも今となってはどこにどれだけ残っているのか。


読んでお判りいただけるように、面白いことに、現在のサイドパイプの形となった当初の時代には、金と銀で作られたサイドパイプは海軍士官、それも指揮官の象徴とされておりました。 これの名残として、弾道ミサイル原子力潜水艦 「アラバマ」 をテーマにした映画 『クリムゾン・ダイド』 の中で、副長がこれをプレゼントされて喜ぶシーンが出てくることをご記憶の方もおられるでしょう。







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 最終更新 : 26/Nov/2019