方位盤(高射機)とは方位盤 とは、目標を照準することにより、発砲諸元を計出する上で必要な 「現在方向角」 及び 「高角」 を測定する兵器です。 そして、この 「現在方向角」 に加えて、航空機の発達とともに要求された高射性能を満たすために、目標の 「現在高角」 をも測定するものが 高射機 です。 即ち、言い換えれば高射用の 「方位盤」 が 「高射機」 であるといえます。 即ち、方位盤にしても高射機にしても、これらは一種の照準用兵器であって、これが方位盤の最大の目的です。 また、方位盤 (高射機) は照準を各砲ごと個別に行う必要が無く、一ヶ所でできるだけでなく、電気的に砲の発射を行う場合には方位盤側で引金を引くことも出来るので、全砲の射撃を斉一にすることが出来ます。 方位盤 (高射機) の利点各砲ごと砲側で照準する方法に比較して、方位盤を用いることにより次の利点が得られます。
方位盤 (高射機) の構成平射用の 方位盤 は、射撃盤出現以前に誕生したものであるので、方位盤の当初の目的は単に目標の 現在方向角 と 縦動揺、 横動揺 を測定し、かつ 照準器 として計画されたものでした。 したがって、その構成としては 砲軸角計出機構、動揺修正機構、占位差修正機構 及び 苗頭修正機構 等をも備えたものでした。 このため、方位盤を有する射撃指揮装置を 方位盤射撃装置 あるいは 方位盤照準装置 等と呼び、太平洋戦争終戦頃までその名称が一部に残っていたのはこの様な経緯があったからです。 これに反して、高射機 はその歴史が新しく、当初から高射射撃盤と一体として計画されましたので、その目的は単に目標の 「 現在方向角」 「現在高角」 と 「縦動揺」 及び 「横動揺」 等を測定するだけで、その他の諸計算機構は全て射撃盤内に組み入れられていました。 しかし前述のとおり、平射用方位盤も、射撃盤の出現とともにその諸計算機構の一部を射撃盤内に組み入れられ、更にその後設計された方位盤ではその計算機構の大部分を射撃盤内に組み入れられており、現在における一般的な型式の方位盤となりました。 したがって、平射用方位盤と高射機とはその構成機構には、次のように大きな差があります。
これら方位盤と高射機の変遷などについては次項の 射撃指揮装置発達史 をご覧下さい。 最終更新 : 20/Apr/2014 |