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第7話 地球自転の影響について




先日メールにて艦砲射撃における地球自転の影響をどの様に説明しているのかについてご質問をいただきました。 この時はネット環境などの再構築の直前であったことと、メールで詳しく解説することはできませんので、簡単なお答にしました。

そこで、今回新しい環境での本サイト初更新としてこの問題を採り上げることにします。 ただし本来ですと 『射撃理論解説 上級編』 に含まれる内容ですが、当該項目はまだ未開設ですので取り敢えずこちらの 『砲術の話題あれこれ 第7話』 といたします。




 艦砲射撃における特徴


艦砲射撃における地球自転の影響について、海上自衛隊、旧海軍、そして米海軍においてそれぞれこの問題をどの様に説明し、そしてどの様に射撃計算に取り込んでいるのかを説明しますが、その前にこの問題を取り扱う上での三者に共通する艦砲射撃の特徴、つまり説明の姿勢について整理しておきます。

大気や海流などに与える地球自転の影響、例えば台風の渦や海流の動きなどは、一般的に 「コリオリの力」 で説明されることが多いことは皆さんよくご承知のことでしょう。

しかしながら、気体や液体と場合と異なり、艦砲射撃における水上射撃の場合は、次の理由によりこの 「コリオリの力」 という言葉をもって説明されることはまずありません。 その理由は次のとおりです。


1.発射された砲弾は鋼体であり、かつその予期した弾着点からどれだけずれる (偏位する) かが問題である。

2.砲弾の飛翔時間は長くてもせいぜいが90秒程度である。

3.射撃計算では他の要素と同様に、影響の程度を射線 (距離) 方向及びそれと直角方向の2つに分けて考慮する必要がある。


このことを頭に置いていただき、次の順序で説明していきます。


  海上自衛隊の場合
  旧海軍の場合
  米海軍の場合






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 最終更新 : 26/Feb/2016