弾道及び弾丸に関する主要用語

★ 印 : 基礎的な用語

「砲*」の字は、正しくは「月」偏に「唐」と書いて、「とう」と読む文字ですが、常用漢字外で常用フォントにもありませんので代用しています。


  用   語 定                義
弾道 発射されたる弾丸重心点の過ぐる線
発射された弾丸の重心点の軌跡
起点 弾道の砲口に於ける点
弾道の方向における点
射線 起点に於ける弾道の接線
射面 射線を含む垂直面
砲軸線を含む鉛直面
射角 射線と水平面との交角
落点 起点を通ずる水平面と射面に投影せる弾道との第二交会点
起点を通る水平面と射面に投影した弾道との第2の交点
落角 落点に於て射面に投影せる弾道の切線と水平面との交角
落点において射面に投影した弾道の接線と水平面との交角
  落線傾斜 落角の余切の概量
弾着点 目標、海面若は地上に弾丸の着達する点
弾丸が海面あるいは地面に着達する点
飛行時 弾丸起点より弾道の某点に至るに要する時間
弾丸が起点から弾道の某点まで飛行する時間



  用 語 定      義
  頂点 弾道中の最高点
弾道中の最高点
  頂点高 頂点と起点との垂直距離
頂点と起点との垂直距離(同一の垂直軸へ投影した場合の投影点間の距離)
  頂点距離 頂点と起点との水平距離
頂点と起点との水平距離(同一水平面への投影した場合の投影点間の距離)
  昇弧 起点より頂点までの弾道
起点から頂点までの弾道
  降弧 頂点以後の弾道
頂点以後の弾道
射距離 起点と落点又は破裂点との直距離
起点と落点又は破裂点との直距離
定偏 施条により付与せられたる弾丸の旋転と空気抗力との作用に依り射面の左右に弾丸の偏倚する距離
旋条によって与えられた弾丸の旋転と空気抗力等との作用で射面の左右に弾丸が偏倚する距離



  用 語 定        義
初速 起点に於ける弾丸の速度
弾丸が砲を離れる瞬時における砲口に対する弾丸の速力
  公称初速 薬温90°Fの発射薬で新砲が発射する初速
  射表初速 射表の計算に使われる初速
存速 弾道の某点に於ける弾丸の速度
弾道の某点における弾丸の速力
  終速 落点に於ける存速
落点における存速
  撃速 弾着点に於ける存速
弾着点における存速
  撃角 弾着点に於ける目標面の法線と弾軸との交角
弾着点における目標面の法線と弾軸との交角
破裂点 弾丸空中に於て破裂する点
弾丸が空中において破裂する点
  破裂高 起点と破裂点との垂直距離
起点と破裂点との垂直距離
  破裂距離 起点と破裂点との水平距離
起点と破裂点との水平距離
  破裂角 弾丸破裂せる場合破片及び弾子の破裂点に於て形成する角度を言い、其の中心線を破裂軸と言う
弾丸が破裂した場合、破片及び弾子が破裂点に於いて形成する角度を言い、その中心線を破裂軸と言う
  弾丸降下量 弾道上の某点の射面への投影点と砲*軸線との鉛直距離を言い、飛行時における弾丸の重力による降下量を示す



  用 語 定      義
*軸線 発射の為準備したる砲*身の長軸を通ずる線
砲の砲*軸の線
仰角(俯角) *軸線と水平面との交角
*軸線と水平面との交角
  出行角 仰角(俯角)と射角との差を言い、射角が仰角(俯角)より大(小)なるときは+を付し、小(大)なるときは−を付す
発砲のために準備した砲の仰角(俯角)と発砲瞬時の砲の仰角(俯角)との差違
  某点の高低線 起点と其の点を通ずる直線
高(低)角 高低線と水平面とのなす角
  上下潜差(左右潜差) 起点と照準点とを結ぶ直線と照準点に指向せる照準線との垂直角(水平角)


出典 : 黒字  「艦砲射撃教範」(昭和12年 海軍砲術学校)
「射撃理論概説」(昭和19年 横須賀海軍砲術学校)
緑字 「艦砲射撃教範」(昭和33年 海上幕僚監部)



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 最終更新 : 30/Aug/2009