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Mechanical Time Fuze (MTF) Mk 42




 概 要


大口径砲で使用する時限信管で、時限信管 Mk 18 が大口径砲では作動不良であったために新たに開発されたもので、12インチ、14インチ、及び16インチの高勢弾 (HC, Hicapacity) に使用されましたが、大戦中に更に改良された Mk 62 に代わりました。




 構造及び要目


構造・機能は同じく Mk18 の改良型として開発された5インチ38口径砲用の Mk61 とほぼ同じですが、最大の相違点は作動の主体が遠心力を利用した重りによるものから強力な発条 (バネ、spring) によるものとなっていることです。




 全  長  3.54 in (90.0 mm)
 最大径  3.05 in (77.5 mm)
 全重量  2.51 lb (1.14 kg)
 材 質  Upper Cap : 真鍮
 Lower Cap : 真鍮
 本体 : 真鍮
 設定可能秒時  最少 : 0.6 秒
 最大 : 45 秒



 作動及び性能

  ● 作 動


1.発砲の衝撃により頭部の補助撃鉄が主撃鉄まで後退し、これにより時計機構の設定つまみ (setting lug) を設定ピンから解放します。

2.砲弾の旋転による遠心力により時計機構の中心軸止め (center arbor detent) がバネの力に対抗して外方へ移動して中心軸を解放します。 これにより主発条の力が中心軸に働き、時計機構が作動します。 同時に撃針の下にあった安全ブロックを外側へ移動します。

3.時計機構の発動により中心軸の回転は歯車装置により適切な速度に減速されて時限盤 (timing disc) を回転させます。 時限盤上にある発火切り込みが撃針腕の位置まで回転すると、撃針腕はその先端にある重りにより回転し、撃針軸底部の切り込みが旋転の遠心力により回転した撃針安全板の切り込みと一致します。

4.これにより撃針の肩部を押さえていた安全板が外れ、撃針はその発条の力により火管を叩き、これにより信管底部にある起爆薬に点火します。

(時計機構の作動については Mk61 の項を参照されたい。)


  ● 性 能


1.設定秒時 (T) に対して、0.12±0.0075xT 秒以内の誤差で作動するとされています。

2.頭部の補助撃鉄が大口径砲になるほど正常に作動しないという不具合が発生し、このため次の改良型の Mk 62 が開発されました。 Mk 62 の供給が進むにつれ、生産済みの Mk 42 は廃棄されたとされています。 







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最終更新 : 23/Aug/2017