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三年式信管



三年式信管は、四四式信管を改良した口径25〜12糎砲砲弾用の弾底着発信管です。


種   類 兵器採用年月 使   用   砲   種
 三年式一号信管  大正3年8月  四十五口径二十五糎砲 通常弾
 同 徹甲弾
 十五糎砲 一号通常弾
 十二糎砲 一号通常弾
 同 二号通常弾


本信管で知られているのは 「三年式一号信管」 のみで、改良型はありません。




 

 三年式一号信管


  概 要


本信管は四四式信管を改良した弾底着発信管で、その改良点は次のとおりです。


1.撃針を強大にし、かつ螺子部を長くするとともにその捻りを緩やかにする。

2.偏螺筒の上方に長筒を設け、その中に遠心子2個を装備する。

3.安全留針を安全栓の下方に突出するようにする。



  要 目


知られている要目は、次のとおりです。


   全長            : 135 mm

   本体長(管帽を除く)  :  89 mm

   最大径          :  40 mm



品  名 薬  種 薬  量
雷  管  雷こう   1.4〜1.5 g
管 帽 薬  下瀬火薬   


  構 造


   


管体、管帽、撃針、偏螺筒、安全栓、安全留針、遠心子、雷管、管帽薬などで構成されます。


1.撃針は細長く、かつその後半部に螺子が刻まれており、これを偏螺筒に螺入します。

2.偏螺筒は撃針螺子部に螺入され、弾丸の旋転により螺子部に沿って降下するようになっています。 また偏螺筒上方には長筒が設けられ、その中に2個の遠心子が装備されています。

3.安全栓は偏螺筒の一側に挿入され、偏螺筒の回転を防止すると共に、下方を安全留め針によって支えられています。

4.安全機構は次のとおりです。

     (1) 偏螺筒及び遠心子により撃針の前身を防止する。

     (2) 偏螺筒の長筒により遠心子の振り出しを防止する。

     (3) 安全栓により偏螺筒の回転を防止する。

     (4) 安全留針により安全栓の降下を防止する。



  作 動


次の順序で作動します。


1.安全留針を抜いて弾底に装着し、発砲する。

2.発砲時の衝撃により安全栓が降下し、偏螺筒の回転を可能とする。

3.弾丸の旋転力により偏螺筒は撃針の螺子部をたどって後退する。

4.後退の局限に達する頃に2個の遠心子は左右に振り出し、これにより撃針の前進を可能とする。

5.弾丸が着達すると撃針は前進して雷管を発火させ、管帽薬を轟発させる。







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 最終更新 : 04/Jan/2015