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対潜信管 |
本信管は対潜水艦用の対潜弾用として開発された弾頭着発信管で、昭和20年2月内令兵4号により 「対潜信管一型」 及び 「同 二型」 として兵器採用されました。
種 類 | 兵器採用年月 | 使 用 砲 種 |
対潜信管一型 | 昭和20年2月 | 短二十糎砲通常弾 短十二糎砲通常弾 十五糎砲対潜弾甲 十四糎砲対潜弾甲 十二糎七砲対潜弾甲 十二糎砲対潜弾甲 八糎砲対潜弾甲 |
対潜信管二型 | 昭和20年2月 | 十五糎噴進爆雷 |
● 概 要
15〜8糎砲用の対潜弾の信管として 「試製対潜信管」 の名称で開発されたもので、「遅動」 「即動」 変換装置を有しており、「即動」 に設定して発砲すれば着達と同時に作動し、「遅動」 に設定して発砲すれば着達後5秒経過時に作動するようになっています。
● 要 目
知られている要目は、次のとおりです。
全長 : 155.6 mm
最大径 : 55.6 mm
全重 : 1108 g
品 名 | 薬 種 | 薬 量 |
第一雷管 | 発薬 (三味) 黒色火薬 |
0.04 g 0.14 g |
第二雷管 | 塩化鉛 テトリール |
0.1 g 0.1 g |
補 薬 | テトリール | 1.0 g |
管 帽 薬 | 下瀬火薬 | 27 g |
● 構 造
管体、管頭、復管体、管帽、管帽薬、衝帽、撃針、遠心子、遠心子発條、第一雷管、開閉鈑、開閉発條、案内金、遅動体、伝火薬室、第二雷管などで構成されます。
1.衝帽は撃針の上部に挿入され、管頭が不時の衝撃の際に自ら圧潰して、撃針に無理を及ぼさないようになっています。
2.撃針はその下方が尖鋭となっており、また中央に段部があり、ここが遠心子の拘扼部となっています。
3.遠心子 (5個) はその一端を軸が貫き、腕部によって隣接遠心子の脚部を押さえるように結合して個々には開放しないようになっており、これによって撃針の段部を拘扼します。
4.遠心子発條は二重捲扁平発條で、遠心子外方を取り囲み、遠心子の不慮の開放を防ぎます。
5.案内金は 「遅動」 「即動」 の変換子で、円筒形で外方に鍔があり、内部に発條及び発條帽を収め、切りかけを設けて内方に開閉鈑が結合されています。 また外側には矢符が刻まれており、管体の
「0」 又は 「5」 の標線に対抗するようになっています。
案内金を 「0」 に合わせた時は切欠部が開閉鈑に対抗してその開放を可能とし、「5」 に合わせた時は開閉鈑を開放しないようになっています。
6.開閉鈑は方形の薄鈑で、案内金内方に結合され、発條により常に内方に圧せられており、直通火道を塞いでいます。
7.遅動体内には遅動薬を収められ、燃焼秒時5秒となっています。
8.遠心子は弾丸旋転力 2500 回/分にては不開、3500 回/分で開放されます。
9.開閉鈑は弾丸旋転力 1000 回/分にては不開、2000 回/分で開放されます。
● 作 動
次の順序で作動します。
1.信管を弾頭に装着し、案内金矢符を 「0」 に合わせ発砲する。
2.慣性により撃針が降下しようとしても、遠心子によりこれを支えられるため降下しません。
3.弾丸旋転力により遠心子は同発條を圧開しながら順次開放し、撃針に対する扼を解きます。
4.案内金切欠部が開閉鈑に対抗しているため、開閉鈑は遠心力により同発條を圧縮して開放し、直通火道が通じるようになります。
5.弾丸が着達すると衝撃により撃針は第一雷管を発火させ、その火勢は直通火道を経て伝火薬、第二雷管に点火し、管帽薬を轟発して炸薬を轟発させます。
6.案内金矢符を 「5」 に合わせて発砲すると、案内金切欠部は開閉鈑に対抗しないので、それを開放させません。
7.第一雷管の火勢は遅動薬に移り、5秒経過後に伝火薬、第二雷管を経て管帽薬を轟発し、炸薬を轟発させます。
● 概 要
本信管は一型と共に昭和20年2月の内令4号で兵器採用されたもので15糎9連装噴進爆雷砲の15糎噴進爆雷用の弾頭信管で、遅延及び着発の複動になっています。
● 要 目
知られている要目は、次のとおりです。
全重 : 1063 g
品 名 | 薬 種 | 薬 量 |
第一雷管 | 発薬 (三味) | 0.05 g |
遅 延 薬 | 6.5 g | |
第二雷管 | 塩化鉛 テトリール |
0.1 g |
補 薬 | テトリール | |
管 帽 薬 | 下瀬火薬 | 27 g |
● 構 造
最終更新 : 05/Jan/2015