書籍名 :『艦砲射撃の歴史』

   著(編)者 : 黛 治夫
   出版社  : 原書房
   初版日  : 昭和52年
   全頁数  : A5判 348頁
   書籍コード: 0031-40240-6945

● 書籍解説

本書は、元海軍大佐で “鉄砲屋” である故黛 治夫氏の手になる旧海軍砲術に関する第2作です。

火砲の発明から書き起こして、南北戦争までの艦砲射撃について全体の約1/4を割いており、残りの約3/4を旧海軍の砲術に関する記述です。 ただし、第1作の『海軍砲戦史談』と同じく、旧海軍については太平洋戦争開戦前までで終わっており、太平洋戦争中の事項については全く触れられておりません。  この点が残念と言えば残念です。 その理由としては史料の問題もありますが、むしろ黛氏も当事者の一人であり、他の生き残りの方々に配慮して書きたくても書けなかったと言うのが大きな理由の一つであることも事実でしょう。

全体的な内容のレベルは、全作の『海軍砲戦史談』を “入門編” とするならば、本書は “講義テキスト” とも位置付けられるもので、かつ旧海軍の砲術に関して現在でも右にでるもののないものであり、この方面の研究に当たっては必須の文献と言えます。

残念ながら、本書も既に絶版となって久しいのですが、古書店などでは時々出回りますので、お持ちでない方はチャンスがあったときには是非とも入手されることをお勧めします。 ただし、古本とはいえ今ではちょっと高価です。




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