学研 『完全版 特型駆逐艦』 記事訂正と追加



旧海軍艦船史研究の大家であるHN 閑居不善庵 氏から、学習パブリッシングから出版されております 「歴史群像 太平洋戦争シリーズ vol.70」 である 『完全版 特型駆逐艦』 について、同氏執筆記事の訂正を掲示板の方に頂きましたが、改めてこちらに纏めて掲載させていただきます。



現         行 訂 正 及 び 追 加
60  吹雪型の 「磯波」 を <図2> の綾波型に入れている  <図1> 吹雪型 (p59) の <図1−1> として 「磯波」 の後部煙突の機銃台を部分図で示すべきものであった。
62  第一航空艦隊 第七駆逐隊 「朧・曙・漣・潮」  「第七駆逐隊 「曙・ 漣・潮」。 「朧」 」 に改める。 あるいは第一航空艦隊の下に 「第一航空戦隊 第七駆逐隊 「曙・漣・潮」、第五航空戦隊 「朧」 」 とする。
68〜  昭和16年〜17年の特型 (2)  日華事変中に触雷した 「薄雲」 の修理完了時点 (17年7月30日) での13ミリ連装機銃の装備数について次のとおり追加します。

 昭和14年10月の時点では 「機銃型別一覧表」 に示すとおり1基であったが、修理が終わった時の状態は明らかではない。
 吹雪型は 「一般計画要領書」 の 「現状」(昭和17年3月現在) に示すように、この時までに2基に増備しているが、各艦はいつ増備したのかという記録は見つからなかった。
 わずかに 「白雪」 の乗員が 「昭和17年4月から5月にかけて呉で修理の時」 と述べているが、呉鎮や横鎮の戦時日誌などにはこれを裏付ける記載はない。
 しかし、増備を行ったとすればこの時か、17年末から18年初めにかけて艦橋前に機銃を増備した時と思われるが、17年後半から18年初めにかけての艦橋前への機銃増備について、「夕霧、白雲、天津風に13mm機銃増備の訓令」 (15274号訓令、17.12.?) で艦橋前に13ミリ機銃の装備を示しているが、このとき 「白雲」の後部煙突前に13ミリ連装機銃の増備は示されていないと思われるので、吹雪型は昭和17年12月から18年にかけてこの位置に機銃増備を行っていないと判断した。
 したがって、この時は後部煙突前の機銃増備を行なっていないと判断される。
 このことと 「白雪」 の乗員1人の証言、および開戦以来の対空戦闘や要望、他の旧式駆逐艦などへの機銃増備状況を考えて昭和17年4月から5月に吹雪型は後部煙突前の機銃を2基に増備したと考えた。
 これらにより、この時点で修理中であった 「薄雲」 も修理地の舞鶴で増備工事を行って、修理完了の時には13ミリ連装を2基装備して出撃したと考えられる。
 以上については出沼ひさし氏のご指摘により訂正と追加したものであり、同氏に感謝する。
99  <図12> 「白雲」  他の図では記載されている 「増備機銃 ・・ 25mm3連装機銃」 および 「換装機銃 ・・ 25mm連装機銃」 が欠落のため、側面図と平面図の間に挿入してください。
109  <図14> 「薄雲」  前部マストの上部が消えているので、<図14−1> に倣って描いてください。
158  <図31> 「響」  前部煙突横の両舷に装備した25ミリ単装機銃1基が側面図に描かれていないので追加して描いて下さい。
163  戦前船舶研究会の有料配布資料名などの記述  次の通り訂正・追加します。

 資料名を 「機銃兵装増備関係図面集」 と記載したが、正しくは 「機銃装備指示公式図」 (定価5250円を発売特価4200円。 太平洋戦争中の機銃増備に関する装備位置指示の公式図です) と 「平成21年6・7月研究月報」 に記載されていることが分かった。
 これを教えてくれた方は、私が退会させられたことなどは 「月報」 には全く記載されていないので知らなかった。そのため、私がこの資料を購入していたと思っていたということであった。 退会させられたことを知っていれば購入しておいたものを ・・ と残念がっていました。 有難うございます。
 この資料を私に入手させないために、この月報の2ヵ月余り前に言いがかりにも等しい理由の退会勧告を送りつけて、全ての連絡をよこさなかったと思われます。 なお、この資料は現時点でも未入手です。

(管理人追記) : 当該史料はNH「老猿」氏のご厚意により借用できたとお聞きしております。 老猿氏、ありがとうございました。







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 最終更新 : 21/Nov/2010