艦砲射撃で用いる単位


1.長さの単位

距離、高度、水平距離、間隔、高低差、距離見越量、高度見越量、水平距離見越量、弾道距離見越量、弾道高度修正量、占位差距離修正量、占位差高度修正量 等、長さに関係するものの単位は通常「米(メートル)」を使用します。

これらの内、照尺距離、照尺高度、及び各修正量を呼称する場合は「百米単位」を使用します。


2.速さの単位

自速、的速の単位は通常「浬(マイル)」を使用し、「節(ノット)」と呼称します。 ただし、的速は「米秒(m/sec)」を使用する場合もあります。

変距、高度変化率、水平距離変化率、横分速、縦分速 等、長さの変化量の単位は通常「米秒(m/sec)」を使用します。 ただし、変距は「節(ノット)」単位で呼称するのが普通です。

上下、左右変角率 等、角度の変化率の単位は、通常「度分秒」とし、「密位(ミリイ)」を使用する場合もあります。


3.角度の単位

高角、方向角、仰角、旋回角、的針 等、角度の単位は「」を使用します。

上下左右見越量、砲*軸角、定偏苗頭、弾道上下左右修正量、占位差上下左右修正量、動揺上下左右修正量 等の単位は通常「密位(ミリイ)」を使用します。 ただし、上下左右見越量及び砲*軸角は「度分秒」で呼称する場合もあります。


4.「密位(ミリイ)」、「ミリラジアン」、「千分の一(1/1000)単位」

旧海軍では角度の単位として従来から「千分の一(1/1000)単位」を使用してきましたが、昭和12年の「艦砲射撃教範」改訂時からこの「千分の一単位」に換えて「密位(ミリイ)」を使用することとしました。

密位」は360度の6400分の一を1とする単位で、1密位は0.0563度です。 これは英語の「ミル(Mil)」と同じ意味です。

(注) : “英語の”と書いてしまいましたが、元々はフランス語からきた用語で、フランスで発達した砲術理論が世界に広がっていった名残です。

千分の一単位」というのは、縦方向の長さ1000に横方向の長さ1とするタンジェント角度(Arctangient)で、0.0573度を1とするものです。

米海軍では、この旧海軍で使用していた「千分の一単位」と同じものを「ミル(Mil)」と呼んでいます。 このため、戦後、海上警備隊ができた時にこの「ミル」と「ミリイ」との使い分けで多少混乱が生じたことがありました。

なお、「ミリラジアン」は360度の(2πx1000)分の一を1とする単位で、1ミリラジアンも0.0573度ですが、この単位は旧海軍でも米海軍でも使用されておりません。



「砲*」は、正しくは「月」偏に「唐」と書いて、「とう」と読む文字ですが、常用漢字外で常用フォントにもありませんので代用しています。



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最終更新 : 07/Jan/2006