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保式・山内二听半砲 (47粍軽速射砲)



明治41年12月25日の内令兵第5号 「砲熕ニ関スル名称中左ノ通リ改ム」 により、「四十七密米保式軽速砲」 及び 「同 山内軽速射砲」 はそれぞれ 「保式二听半砲」 及び「 山内二听半砲」 と改称されました。

本砲の昭和期の旧海軍における詳細データは 『保式/山内短五糎砲』 のページをご覧ください。

なお、山内砲は山内萬壽治大尉 (当時) が明治23年に保式砲を基に考案したものですが、保式砲と山内砲では、砲身、閉鎖機はもちろん、駐退機、砲架も含めて相互に互換性は全くありません。



  要目諸元
  弾  薬
  照準器
  図面類

(注1) : 本ページにおける 「筒」 は本来は 「月」 偏に 「唐」 の字ですが、標準の文字コードにありませんので、全て 「筒」 の字でで代用しております。


47ミリ重軽速射砲については 『砲術の話題あれこれ』 の第5話 『四十七粍速射砲について』 にも色々書いておりますので参考にしてください。



 

 要目諸元


 装備艦 (門数) (注1) 参照 
 砲製造所  保社  呉工廠
 砲式  保式  山内式
 尾栓の式  保式  山内式
 発火装置種類  撃発  同左
 口径 (粍)  47.0  同左
 砲身重量 (瓩)  120  127
 砲身構造  層成式  同左
 砲身全長 (粍)  1,557.5  同左 
 砲筒全長 (粍)  1,410.0  同左
 旋条種別  右旋平等  同上
 旋条拗曲度  22.4口径に付き1回転
(明治42年以降の新造砲は35口径に付き1回転)
 同左 
 旋条数  20  20 
 筒渠幅 (粍)  5.85  同左
 筒渠深 (粍)  0.4  同左
 薬室長 (粍)  102.5  同左 
 薬室容積 (立)  0.204  同左 
 砲の命数 (発)  1,230  1,230 
 単装連装別  単装   同左
 砲架の種類  保式  山内式
 砲架の全重量 (瓩)  364  
 最大仰角 (度)    
 許容駐退最大限(粍)  61  141
 水圧電動装置     
 洗浄噴気装置    
 楯の全重量 (瓩)    


(注2) : 明治44年現在の装備艦 (装備門数) は次のとおりです。

      保式 :
          阿蘇 (4)、葛城 (4)、大和 (4)、橋立 (2)、厳島 (2)、沖島 (2)
          赤城 (2)、八重山 (2)、和泉 (1)、千代田 (1)

      山内式 :
          三笠 (2)、朝日 (2)、敷島 (2)、富士 (2)、石見 (4)、相模 (4)
          丹後 (4)、肥前 (4)、磐手 (4)、出雲 (4)、常盤 (4)、浅間 (4)
          八雲 (4)、吾妻 (4)、春日 (4)、日進 (4)、笠置 (4)、千歳 (4)
          高千穂 (2)、浪速 (2)、宗谷 (2)、対馬 (2)、秋津洲 (2)、明石 (2)
          須磨 (2)、見島 (2)、武蔵 (4)、八重山 (2)



 

 弾 薬



 弾種 鍛鋼榴弾 鋼鉄榴弾 鋳鋼榴弾 榴霰弾
 弾量 (瓩) 1.085 1.115 1.085 1.225
 弾丸長 (粍) 133 130 134.5 140
 炸薬  薬種 細粒火薬   
 薬量 (瓩) 0.060 0.045 0.060  
 信管 保式弾底着発信管


 装薬  型式 薬莢
 薬種 尋常紐状火薬
 薬量 (瓩) 0.064
 初速 (米/秒) 450
 砲口全勢力 (粍・瓩) 1.15
 砲口穿入力 (粍) KC鋼板 27
 火管  


 

 照準器



 照準装置  照尺照星
 望遠鏡の種類   
 照準線と筒軸線との距離 (粍)  C :  70.1
 D : 112.7
 照準線長 (粍)  10,000
 基準距離 (米)  
 照尺の最大射程 (米)  3,000
 照準器固有傾度  3度 35分 49秒


(注3) : 照準線と筒軸線との距離における A〜D の意味は次のとおりです。

      A : 左照準器の照準線と筒軸線との水平距離
      B : 左照準器の照準線と筒軸線との垂直距離
      C : 右照準器の照準線と筒線との水平距離
      D : 右照準器の照準線と筒軸線との垂直距離



 

 図面類


    砲 身 (保式)




    砲 架 (保式/山内式)


( 保式退却砲架 )


( 山内砲架 )



    山内自動装置 (自動閉鎖機)




発砲による砲身の後退により砲身の鴨脚金(G)と駐退機に固定された機筐(A)により尾栓が降下(開放)して打殻薬莢を放出した状態で砲身がストップします。 そして次の新たな弾薬包を装填して働挺(G)レバーを押下すると尾栓が閉鎖しつつ砲身が前進し複座しますので、射手が引金を引くと発砲し、以後これを繰り返すことになります。



    弾薬包



    信 管








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最終更新 : 15/May/2022