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四十粍機銃時限信管 |
この信管は毘式四十粍機銃用の燃焼式時限信管で、大小2個の薬盤を回転することにより火導薬の燃焼距離を変更して秒時を調整するようになっています。
種 類 | 兵器採用年月 | 使 用 砲 種 |
四十粍機銃時限信管改三 | 昭和9年9月 | 四十粍機銃普通弾 |
本信管で知られている型式は上記の 「改三」 のみで、オリジナル及び改一、改二の詳細については不詳です。
● 要 目
知られている要目は、次のとおりです。
目盛分割 : 0 〜 10 秒
品 名 | 薬 種 | 薬 量 |
第一雷管 | 発薬 (三味)黒色粉末 | |
遅 動 薬 | 黒色小粒薬 | 0.11 g |
火 導 薬 | 黒色小粒薬 | 0.85 g |
火 導 薬 | 配合薬 (過塩素酸安門及び油煙) |
0.72 g |
放 出 薬 点 火 薬 |
黒色小粒薬 | 0.44 g |
点火補薬 | 黒色小粒薬 | 0.246 g |
第二雷管 | 釦アサイド テトリール |
0.1 g |
管 帽 薬 | 下瀬火薬 |
● 構 造
管頭、小薬盤、大薬盤、管体、管帽、撃針、撃針支持発條、第一雷管、火導薬、管体薬、点火薬、第二雷管、管帽薬などで構成されます。
1.管頭は管体に螺子入れられて留螺子により固定され、下方は小薬盤に接しています。
2.小薬盤は下面に火導薬が巻き付くように置かれており かつ管体中央部に嵌合して回転しないようになっています。
3.大薬盤はこれも下面に火導薬が巻き付くように置かれており、かつ管体中央部に挿入されて回転運動をします。 外部に指標を刻印して管体の目盛と対抗し、外周に歯輪が付けられています。 この大薬盤と小薬盤との火導薬はそれぞれ反対方向に巡らされています。
4.管体は中央部に凸部があり、その内部に撃針、撃針支持発條、第一雷管が収められ、小薬盤に通じる火道が開けられています。 管体の片側には管体薬があり、ここから点火薬に通じる火道が設けられています。 また下方には点火薬室及び管帽が装着されています。
5.点火薬室には点火薬が入れられており、管体の火道に対抗しています。
6.管帽には第二雷管と管帽薬が収められています。
● 作 動
次の順序で作動します。
1.信管を弾頭に装着して、信管調定装置により大薬盤を回転することにより、大薬盤の点火孔と小薬盤の点火孔及び管体薬とは一定の角度(調定秒時)が与えられます。
2.発砲すると雷管はその支持発條を圧縮しつつ後退し、撃針に激突して発火します。
3.その火勢は小薬盤の火導薬に移り、調定秒時に応じて燃焼して大薬盤の火導薬に点火します。
4.大薬盤の火導薬は調定秒時に応じて燃焼して管体薬に移り、その火勢は点火薬、第二雷管を作動させて管帽薬に移り、炸薬を轟発させます。
最終更新 : 05/Jan/2015