書籍名 :『牧野茂艦船ノート』


   著 者  : 牧野 茂
   出版社  : 共同出版社
   出版日  : 昭和46年
   全頁数  : B6版 411頁
   ISBNコード: 4-87970-045-2

● 書籍解説

本書は、元海軍技術大佐(造船)の故牧野茂氏が、旧海軍各種艦艇と初期の海上自衛隊護衛艦の設計について種々の雑誌等に発表したものを一冊に纏めたものです。

牧野氏と言えば戦艦「大和」の設計担当部員であったことで広く知られていますが、その「大和」に関連したものも1編含まれています。 とは言え、元技術大佐が著したものだからと言って、本書に旧海軍の艦艇に関するデータ的なものを期待して読むと失望することになるでしょう。 端的に言えば、一技術士官の“回想録”と言った方がよいものです。 そして結局は、故福井静夫氏や故堀元美氏らが著したものと同じく、造船屋から見た旧海軍艦艇についてであって、これが用兵も含めたトータル的な観点からする旧海軍艦艇の評価ではないことに注意して読む必要があります。

現在の日本で一般の人たちが目にするもので旧海軍艦艇について旧海軍技術関係者がものしたものと言えば、ほとんどが福井・堀両氏のものに限られること、そして初期の護衛艦に関するものが含まれていることを考えれば、本書の価値はまさにそこにあると言えます。




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