本書は、昭和１７年に初版が出されたものに、昭和１９年の増補分を加えて再編集したものを出版したものです。　したがって、戦後になってから新たに加えたり、改変したようなものはなく、その意味では旧海軍が公表できる範囲内を纏めた“公式辞典”とも言える状態を保っています。

旧海軍における多種多様な用語の意味を手軽に調べるためのものとして、座右においておくと便利な一冊でしょう。

例えば、旧海軍関係のＨＰでも時々見かける話題で「内火艇」の読み方がありますが、本書によって「うちびてい」というのが旧海軍における正式名称であることが解ります。

とは言え、一般公刊に供するためのものですから、当然のことながら秘密に関することはそれなりの書き方になっておりますが、これは致し方ないことで、これによって本書の本来の価値が薄れることはありません。