書籍名 :『駆逐艦』
−その技術的回顧

   著(編)者 : 堀 元美
   出版社  : 原書房
   初版日  : 昭和44年
   全頁数  : A5判 296頁

● 書籍解説

本書は、旧海軍の元技術中佐であり戦後は民間造船会社にあって自衛艦設計などにも携わった故堀 元美氏が、月刊誌『世界の艦船』に昭和36年9月号から同42年6月号までに37回にわたって連載した『駆逐艦 −その回顧と展望』のうち、第2次大戦以降の部分を除いたものに補筆修正して出版したものです。

前半の第1部が駆逐艦の誕生から第1次大戦までを取り扱っており、後半の第2部が「峰風」型以降の日本駆逐艦についてですが、さすが造船屋の手になるものと言えるものに纏められており、この分野における “名著” の一つであると言えるでしょう。

 記述要領は、あくまでも艦艇設計の実務者としての立場を貫いており好感がもてます。 この点が同じ元技術士官でありながら、艦艇研究家として名を成した故福井静夫氏と大きく異なる点であると思います。

 ただし、この姿勢が例えば月刊誌『世界の艦船』などにおける読者からの意見に対しては “素人に何が解るか” と言うような感じの文になっていたことも事実で、このことが人によっては評価の分かれる点ともなってしまっています。




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