書籍名 :『昭和軍艦概史V 終戦と帝国海軍』 (−わが海軍の終焉と艦艇の帰趨) 著 者 : 福井静夫 出版社 : 共同出版社 出版日 : 昭和36年 全頁数 : B5版 225頁 |
● 書籍解説
本書は、旧海軍の元海軍技術少佐であり戦後は艦艇研究家として名を成した故福井静夫氏の手による終戦時の旧海軍残存艦艇についての研究成果で、月刊誌『世界の艦船』の昭和33年1月号から同年8月号まで『戦後のわが海軍 −終戦時残存艦艇とその帰趨−』と題して連載したものに手直しを加えて、改めて出版したものです。
終戦時の残存艦艇及びその帰趨について纏められたものとしては、おそらく右に出るものはないでしょう。
しかし、故福井氏は本書の巻頭「著者の言葉」で「三部より成る昭和軍艦概史をとりあえず公刊し、もって各位の当面の質疑に答え、・・・」と述べていますが、それではその『昭和軍艦概史』のTとUはどうなったのでしょうか? そして既に氏が公言している『日本海軍艦艇総集』との関連はどうなっていたのでしょうか?
これらの疑問には全く答えること無しに、福井氏は膨大な旧海軍史料を独占利用しつつ、相互に全く関連性のない出版物を散発的に刊行し、肝心な『日本海軍艦艇総集』には全く答えること無しに鬼籍に入られてしまいました。
ある意味、旧海軍艦艇史の真実は氏によって永遠の闇に葬られたと言っても過言ではないかもしれません。 元海軍技術少佐たる艦艇研究家 福井静夫という名声だけを残して・・・・