試射の要領




  1.試射の要領を決定するのに考慮すべき事項  ← 現在の頁
  2.初弾の有効弾獲得公算と試射の関係
  3.初弾が偏位弾の場合の目標存在公算
  4.初弾が偏位弾の場合に修正弾が同方位弾とならないための修正量とその公算  
  5.初弾が偏倚弾の場合に目標存在公算最大の点に発射した際の有効弾獲得公算
  6.試射法の決定




1.試射の要領を決定するのに考慮すべき事項


試射の要領を決定するに当たり、次の諸公算を基礎とする必要があります。


(ア) 初弾が有効弾となる公算

(イ) 初弾が偏位弾 (全遠又は全近) となった時の目標存在公算

(ウ) (イ)の場合に、初弾に対する修正弾が同方位弾とならないための濶度と、その同方位弾とならない公算

(エ) (イ)の場合に、目標存在公算が最大となる点に対して発射した時の有効弾獲得公算


これらの公算及び濶度についての詳しい内容は既に 『射法の要素』 で説明しておりますので、そちらをご確認ください。

また、これらの公算などを計算する基礎データとしての、戦闘公誤 (r1)、射心移動公誤 (r2)、初弾偏倚公誤 (r3)、変距誤測公誤 (r5)についても 『射法の要素』 にありますが、旧海軍の戦前の昼間戦闘射撃における成績からこれを纏めると、次の表の通りとなります。


砲種 射距離
(X)
戦闘公誤
(r1)
射心移動公誤
(r2)
初弾偏倚公誤
(r3)
変距誤測公誤
(r5)



150 100 125 212
200  95  93 306
250  83  70 443
300  71  47 620



 80 117 154 212
130  75  91 285
180  70  66 437
230  70  35 665



 50 124 173 204
 90  77  94 240
130  70  58 337
170  70  41 506

(注) :  X は 100m単位、r1、r2、r3 は m単位、r5 は ノット単位
大口径砲は 40cm砲と 36cm砲の平均
中口径砲は 15cm砲と 14cm砲の平均  (以下同じ)






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最終更新 : 23/May/2015







水上射撃の射法理論

   始めに

   試射の要領 

   本射の要領

   測距射法

   全量射法

   自変距射法

   左右修正

   転舵修正

   飛行機観測