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九六式伝火筒



九六式伝火筒は、九一式伝火筒と同じく、管帽薬が付いていない形式の時限信管を使用する場合に、弾薬の炸薬内腔に装着して使用するもので、8糎砲及び8糎高角砲用の三号通常弾改一用に使用されました。


種   類 兵器採用年月 使   用   信   管
 九六式伝火筒  昭和12年6月  九一式時限信管、九八式時限信管
 零式時限信管、八九式尖鋭高射信管
 九六式伝火筒改一  



 

 九六式伝火筒

  概説及び構造




九一式伝火筒を改良したもので、その相違点は次のとおりです。


1.形状が細長くなっている

2.補薬の量を少ない

3.管帽薬に下瀬爆薬に替わり下瀬火薬を使用


  要 目


品  名 薬  種 薬  量
雷  管   鉛アザイト 約 0.1 g
  テトリル
補  薬   テトリル 約 1.0 g
管帽薬   下瀬火薬   


  作 動


時限信管が調定秒時 (時限) に達してその雷管が発火し塞底薬に引火した時に、その火勢により雷管に点火し、補薬、管帽薬を経て弾丸の炸薬を爆発させます。




 

 九六式伝火筒改一

  ● 概説及び構造




九六式伝火筒からの変更点は次の通りです。


1.管帽薬を下瀬火薬から下瀬爆薬に変更。

2.鍔と管帽とを別部品としてます。 ただし、一体型で作られたものも使用されたようです。



  要 目


品  名 薬  種 薬  量
雷  管   窒化鉛 約 0.1 g
  テトリル
補  薬   テトリル  
管帽薬   下瀬爆薬 24.6 g ±3%


  作 動


九六式伝火筒に同じ。






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 最終更新 : 29/Sep/2014