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二式信管



二式信管は、昭和18年に内令兵7号で兵器採用された口径15〜8糎砲通常弾用の弾頭着発信管です。


種   類 兵器採用年月 使   用   砲   種
 二式信管  昭和18年2月  四十口径十五糎砲通常弾改二
 四十口径十四糎砲通常弾及び同改一
 十二糎砲一号通常弾改二
 同 二号通常弾改二
 同 三号通常弾及び同改一
 八糎砲一号通常弾改二
 同 二号通常弾改二
 同 三号通常弾及び同改一


本信管で知られているのは 「二式信管」 のみで、改良型はありません。




 

 二式信管


  概 要


外形は五年式弾頭信管改一と略同様であり、内部構造は概ね八八式信管二型に同じです。



  要 目


知られている要目は、次のとおりです。


   全重            : 430 g



品  名 薬  種 薬  量
雷  管  発薬 (三味) 60%
 塩素酸カリ  40%
 0.1 g
 窒化鉛
 テトリール
 0.1 g
 0.1 g
補  薬  テトリール  1.0 g
管 帽 薬  下瀬火薬  25.0 g


  構 造


   


管体、管頭、遠心子座環、管帽、管帽薬、撃針、遠心子、遠心子発條、雷管、補薬などで構成されます。


1.撃針はその下方が雷管激突に便利なように尖鋭になっており、中央部には鍔があり遠心子の拘扼部となっています。

2.遠心子 (5個) はその一方を軸が貫き、腕部をもって隣接遠心子の脚部を押さえるように結合され、個々には開放しないようになっており、撃針の鍔部を扼止しています。

3.遠心子発條は二重捲扁平発條で、遠心子外周を取り囲み、遠心子が不慮に開放するのを防ぎます。

5.遠心子は、弾丸旋転力 3000 回/分では不開、5000 回/分にて開放となります。



  作 動


次の順序で作動します。


1.信管を弾頭に装着し、発砲する。

2.飛翔中の弾丸の旋転力により遠心子は同発條を圧開しながら順次に開放し、撃針の鍔部に対する扼止を解く。

3.弾丸が着達すると、撃針は雷管を発火させて管帽薬に点火し、炸薬を轟発させる。







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 最終更新 : 04/Jan/2015